2007-01-01から1年間の記事一覧

 ハーフ&ハーフ(5)

ビールではなくタレだと分かってみれば、最初から余計なことだったのではあるが、やはり道長を登場させないわけにはゆかないので、図だけを出しておく。これまで通り、ビールに関わらない人物は全てカットし長幼順なども無視した概略図であるが、前回に続く…

 ハーフ&ハーフ(4)

どうでもよい話ながら、はじめてしまったので、あと2回だけ。 藤原第2アタックまでの話をした。<ハーフ&ハーフ>に更に同量の黒ビールを混ぜたものを<スリー・クオーター>という。ほんとかね。ゆうべ試してみたら、ほとんど黒ビールの味だった。 さて…

 総資本の回収回路

加藤典洋氏の文芸時評(朝日27日)によると、本田由紀氏がこういっているそうだ。現代のように、低収入の若者非正社員がおよそ3人に1人といった社会が成立しうるのは、彼らが生活の基礎面で親の庇護を受けているからだが、それは、企業が家族に生活保障面…

 ハーフ&ハーフ(3)

名誉会長一族の血で血を洗う内紛の連続と、介入しつつ実権を強めてゆこうとする藤原事務長一家との長い確執。 前回みたように、鎌足による藤原第一アタックにつづく、不比等による第二アタックでは、送りこんだ娘が、藤原ハーフを産むと、そのハーフにも、不…

 ハーフ&ハーフ(2)

というわけで、山田さんには、カップ授与役の名誉会長就任を引き受けてもらいたいのだが、しかし一方、大会の実質的運営者の方からすると、とっくに現役を引退して種目から遠ざかっている山田さんが、自分は一番エライのだからと、大会の運営などにあれこれ…

 ハーフ&ハーフ(1)

ブログの原義とは異なるのだろうが、いまブログは、いってみれば公開日記のようなものに見られることが少なくない。どうもまだなじめないのは、私が時代おくれだからだろう。 例えば、古くて恐縮だが、ある時代の日記を読み比べたとして、「一二月八日」の欄…

 <変>な広告(9):尊き邊りには

任命した大臣を自殺に追い込んで自らの防波堤にし、相次ぐ国会強行突破の強引さで支持率回復を目論む。しかし、年金問題にしても、ぐずぐずしてる連中を押し切ってすぐに<救済>法案を通そうというのだから、いいんじゃないの・・・・てなことになるのだろ…

 <変>な広告(8):くだん

「よって件の如し」。「件(くだん)」は、意味的には「くだり」と同義だろうが、「件」の字は、確かに、「人」べんに「牛」と書く。字義的には、<人が牛を曳いている>、つまり<人の傍らに牛がいる>ということらしいから、何の変哲もないが、しかし文字…

 <変>な広告(7):効果は神の如し

毛髪のことばかりで恐縮であるが、ついでにこれも(1926.7.3.大毎)。横長の広告なので小さくなるが。 「九州帝国大学教授某某博士創製」だそうである。「アナタの心配は杞憂にすぎず」。何となれば、「毛髪の諸病に対し「玄華」の奏功は抜群」で、「効果は的…

 著作権の非親告罪化

「とんでもない法案が審議されている」、と、たけくま氏が書いておられる。 何だろうと思って読むと、著作権法を親告罪ではなくしようという動きがあるとのこと。 実に、< と ん で も な い ! >ことである。 とりあえず、「竹熊健太郎のブログたけくまメ…

 <変>な広告(6):片ヒゲ浮世絵

(1)で『歯磨スモカ』片岡敏郎を、(4)で「片ヒゲ美人」を紹介した。 ところが、こういう広告を発見! ・・・何とこれは、『歯磨スモカ』の「片ヒゲ美人」ではないか。 美人の元は、右に揚げた絵(栄松斎長喜「東扇屋つかさ太夫」)に間違いなかろう。一方、…

 集団的自衛権

首相になるずっと前からの狙い通り、9条を攻め落とすつもりでいる男の支持率が結構高い。 多くの人々は、とっくの昔から、自衛隊という名の組織を認め、それが事実上軍隊であることを認め、他国との安全保障条約の締結を認め、そして先年からは、遠く海外に…

 <変>な広告(5):う〜ん、これは・・・

▼ 先ず第一問です。これは何の広告でしょうか。(1926.12.30.大毎) 青で消してありますが、小さい字は読めます。でも、その前に、このイラストだけ見て、3択で答えてください。(答え→ ) A 左手の毛がとれたのを見て、「脱毛」のBefore/Afterを喜んでいる…

 バチモン「シマウマ」讃 

[中国で、ディズニーランドをまねた遊園地が人気を集めていると、TVで報道された。ディズニー公認ではなく、ヌイグルミのキャラクターも全て<変>であり、「違法コピー商品が横行している中国」を象徴するできごとだと指摘。「夢を壊される」というディズ…

 <変>な広告(4):片ヒゲ美人

こういうものを取り上げ過ぎるのはどうかと思うが、脱毛剤を取り上げたので、逆の毛生薬の広告も紹介しておこう。 『毛生液』である。「もうせいえき」とルビしている。 小さい広告であるが、美女の顔についているのは印刷汚れではない。ヒゲである。しかも…

 <変>な新聞広告(3):ハハハ、ナルホド

最初に白状したように、私は全くの素人である。日本の広告史上最も有名な「赤玉ポートワイン」のポスター位はもちろん知っていたが、あれも片岡敏郎だということは知らなかった。 1907年に壽屋が発売した「赤玉ポートワイン」は、ヨーロッパで愛飲されている…

 1897-33:明治30年

あと少しだけつけ足して、ひとまず区切りにしよう。そのうち、次は1911年にでもしようかとか思っているのだが、先のことは分からない。 さて、元日から『金色夜叉』の連載がはじまったこの年。獲得した賠償金で金本位制も確立し財政も景気も悪くない。鉄道の…

 <変>な新聞広告(2)そんな奴おらんでぇ

というのは、変わった、ユニークな、おもしろい、というような意味である。な広告といっても、例えば、性的あるいは身体的コンプレックスに乗じた、怪しげな器具や薬の通信販売広告などは、今も昔も多いが、そういうものは取り上げない。 といいながら、この…

 謝罪と革命

昨日の新聞。 アベがアメリカへ行って「謝罪発言」をし、ブッシュが「首相の謝罪を受け入れる」といったという。英語では何といったのか知らないが、少なくとも日本語としては、第三者であるブッシュが「謝罪を受け入れる」というのは、ヘンである。 しかし…

 1897-32:水の昼食

イギリスのあたりから、大ざっぱ話になってしまった。辞書がいかん、と責任転嫁しておこう(笑)。 長すぎたので、残り物の整理だけして、ひとまず区切りにする。 周知のように、日本の鉄道が狭軌レールになったのは、インドの余り物の使い回しだったからで…

 <変>な新聞広告(1)「鬼才」片岡敏郎

最近ちょっと用があって、図書館の奥の機械室に机を置いてもらって、古新聞を調べているのだが、実に不思議なというか、「変!」としかいいようのない広告があった。何十年も前の新聞だから、載っている広告にも結構「変」なものは時々あるが、しかし、昨日…

 1897年-31:被害の意識

それをどう呼ぶかは別として、凄いスピードで次々と大量のモノを作り出す新しいシステムが、いったん世の中に出現して居座ると、システムに日々与えねばならない大量の原料や燃料つまり「資源」の供給先と、システムが吐き出す大量の「製品」の売りさばき先…

 1897年-30:三角貿易

肩肘張らずに、のんびり道草話をしたいと思っているのに、ちょっと四角なだけの話になってしまった。といいながら申し訳ないのだが、話の行きがかり上、関連する「三角貿易」についてだけ付け足しておく。 「三角貿易」についても、辞書を引いてみると、こう…

 1897年-29:帝国主義

東インド会社が貿易独占権をもつインド綿布が、イギリス国内及び海外市場で毛織物を圧倒するという事態に直面し、イギリス産業資本の起死回生の反撃がはじまる。 画期的な高性能の綿紡績機、織機および動力機関を開発し、低賃金労働者を長時間働かせて、イギ…

 「正しい」言論

(翌日書換) アメリカの大学での銃による大量殺人事件を聞いて、これにより流石のアメリカでも銃規制が必要だという声が大きくなるだろうが、厄介なことには、全く逆に、「事件をあれほどひどいものにしたのは、大学が銃規制をしていたからだ。銃規制が間違…

 1897年-28:糸車

「1897年」を仮の小タイトルにしたこの道草話の冒頭に、その年1月、三木清と、そしてチャンドラ・ボース(Subhas Chandra Bose)が生まれた、と書いた。 チャンドラ・ボースは、長じてインド独立運動に身を投じるのだが、そのシンボルのような人物が、いう…

 1897年-27:インドがない

もちろん<辞書>として、どんな国どんな産業にもあてはまるような、最広義の説明をするということになると、そうなろう。例えば、和辻がいうような機械織り綿糸に関わる産業革命は第一次のそれであり、重工業に関わる第二次の「産業革命」が後に続くのだ、…

 1897年-26:本家産業革命

和辻の回想は、こうであった。「私たちの村」で「明治二十年代の末から三十年代のはじめにかけて、台風のように吹きぬけていった」「産業革命」とは、目に見える形としては、「女たちが楽しそうに」作っていた「手織木綿」の着物が姿を消し、みんなが「紡績…

 1897年-25:きしゃの来る日

『ごろはちだいみょうじん』という、私の好きな絵本がある(福音館書店、こどものともえほん)。中川正文氏の文も、梶山俊夫氏の絵も、とてもすばらしい。 (部分) 「てんごしい」のたぬきのごろはちが住む村に、線路が敷かれ、「てつどう いうもん」がつい…

 1897年-24:ガス糸織の着物

道に戻る。 軍服や学生服だけでなく洋服紳士や洋服職業が増えたとはいえ、もちろん女性を含む大多数の人々はなお着物(和服)だし、洋服で外出する男でも、家では当然和服であった。だが、その和服もまた、昔と同じではない。 何度か言及したように、この年…